balenさんの日記

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2019年
06月06日
20:57

【再録】堅苦しい日本語2 (主語の省略2)2013/04/09【旧人狼SNS】

2013年04月09日07:09
堅苦しい日本語2 (主語の省略2)

リーリの発言
ユーリ「レネとテレーズお疲れ様です。・・・オデット以上に思考がわからない襲撃筋ですね。」


これは4日目にテレーズが襲撃されたのを見たリーリの台詞です。
一文目は単なる様式美なので脇におきましょう。
二文目にご注目ください。
これだけを抜き出すと分かり難いですが、村の中では全員が以下の様に正しく解釈出来ていた筈です。
「今日のテレーズ襲撃は、先日の(確定霊能者である)オデット襲撃以上に、狼の思考が分からないですね」

さてここで問題です。原文の主語は分かりますか?
この記事を読んでいる読者の皆様も、是非一度考えてみてください。


Y:この文章だけだと、主語は見つからないなぁ。
省略された主語を推測すると「今日のテレーズ襲撃は」かな。

B:はい、正解です。
倒置法が用いられている文章とか、
直前の話題について話している場合とかは
主語が丸ごと省略されて、この文章の様に動詞だけが残ったりします。

Y:なるほど。すると文脈から推測するしかなくなりますな。

B:ええ、しかしこれは悪いわけでは無いです。
むしろ省略した方が良いケースに相当します。
実際に参加していた時、この文章で誤解の余地はなかったでしょう?


Y:確かに。
議事録をキャラ同士の会話とみなすなら、互いに意味が通じてるなら省略したほうが、会話のテンポが良いと。

この場合なら、霊能者オデットが襲撃されたのは前日。
だから村のメンバーは前日の襲撃と、たった今起こったテレーズ襲撃を話題にしているって分かるわけですな。

B:そういうことです。
もしこれが「今日のテレーズ襲撃の妥当性」と「別の誰かが襲撃された場合」とかを対比するなら、省略してしまうと誤解の余地が生まれますね。

整理しますと言葉を省略した方がテンポが良いのは
各人で前提条件などに食い違いがなく、定義も同一であること。
共通認識が出来ている話題。
ってところですね。

Y:その条件を満たさないものがあれば、誤解と無理解が起こるわけですな。

B:はい、蛇足ですがこれも例示しておきましょう。

原文)会話とみなすなら、無いほうが「テンポが良い」です
補足有り)会話とみなすなら、(主語などは)無いほうが「(会話の)テンポが良い」です

ね。IRCのような会話文では、このように省略しているんですよ。

Y:発言単体を「切り取って」誰かに見せる場合。省略しない方が理解されやすい。
だけど全体を通読するなら、省略した方が結果として対話がスムーズになる、か。
これってアンカーで戻って読ませる場合には、「切り取って読む」ことになりますな。

B:そうです。
「前提とする内容」って普通は事前に話題になっていますしね。
例に示した以外にも「今、ここ、私」の様な語が絡む主部の場合、主語を省略することは多いです。

省略される例はご理解頂けたかと。
読みにくい文章には、こういうのが何種類も有るんですよ。

Y:これは解説するには手間かかる作業になりそうですな。
やりがいはありそうですが。

B:一度では無理でしょうから、何度かに分けて行いましょう。
そちらが別のコラムを書けるなら、内容を見つつ私が適宜題材を提供。
対話しながら問題点を絞り込む。
この作業を複数回としたほうが内容は充実すると思います。



次の題材です。

例文
【人】 家もふ(新人執事) ユーリ
>>11ミレイユ
昨日僕真視高かったですし、その前霊襲撃通ったことを考えると、狼は狩の僕護衛鉄板警戒しますよ。


主部と述部を探してみてください。1つではありませんよ。
なお定義はこちら。

<主部とは、述部とは>wikipediaより
主部とは、文や節の中で主題となる部分(「~が、~は」の部分)。

述部とは、主題について述べる部分(「~する、~である」の部分)。

節(せつ。英語 Clause)とは、文の一部を構成する要素のうち、主語と独自の時制を持つ述語動詞の組み合わせを備えている要素のこと、言い換えれば、主語と独自の時制を持つ定形動詞の組み合わせをもつ語の集まりをいう。


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第三回に続きます